終末の訪れた世界

1990年代半ば、プログラマーのティム・ケインは勤務時間外に等角投影(アイソメトリック)視点のRPGエンジンの試作を始めた。その実験的プロジェクトが『Fallout』へと昇華した。それは、1950年代の原子力時代への楽観主義と、荒涼とした容赦なきカリフォルニアのウェイストランドが織りなす、鮮烈で忘れがたい融合であった。

従来の剣と魔法の世界に頼るのではなく、『Fallout』はプレイヤーを、錆びついたコルベガのクルーザー、Vault-Tec社の地下シェルター、レイガン、そしてThe Ink Spotsの物悲しいセレナーデが響く崩壊したレトロフューチャーへと誘った。明るいプロパガンダポスターと、肉体を溶かす放射能との冷徹な対比が、伝説的な世界観を構築した。

「私たちが目指したのは、文明が希望にしがみつき、ガラクタを物々交換し、泥の中で道徳を再構築する、生きたウェイストランドだった。」

初代『Fallout』(1997)におけるVault 13の居住者(Vault Dweller)とPip-Boy 2000のインターフェース。
初代『Fallout』(1997)におけるVault 13の居住者(Vault Dweller)とPip-Boy 2000のインターフェース。

GURPSからS.P.E.C.I.A.L.システムへ

『Fallout』は当初、スティーブ・ジャクソンのテーブルトークRPG『GURPS』の公式ライセンスの下で開発されていた。しかし、四肢切断の戦闘描写やダークでシニカルなユーモアに満ちた初期ビルドを確認したジャクソンは、即座にライセンスを撤回した。

突然の中止の危機に直面したティム・ケイン、クリス・テイラー、レナード・ボヤルスキーらは団結し、わずか2週間で独自のキャラクター規則を創り上げた。筋力(Strength)、知覚(Perception)、持久力(Endurance)、魅力(Charisma)、知性(Intelligence)、敏捷性(Agility)、幸運(Luck)——こうして象徴的なS.P.E.C.I.A.L.ステータスと、「Bloody Mess」のようなユニークなPerkが誕生した。

『Fallout』が色褪せない名作となった理由

『Fallout』の不朽の偉大さは、一切妥協のないプレイヤーの自由度から生まれている。クエストには、ステルス潜入、コンピュータハッキング、口八丁の交渉、あるいは爆発的な暴力など、何通りもの分岐が用意されていた。

最終ボス「マスター」との対峙は、ゲーム史における最高の成就の一つである。高い知性と科学的検死記録を持つプレイヤーであれば、その monstruous な敵に対し、彼のミュータント計画が不妊であり欠陥を抱えていることを論理的に説得し、自発的に侵略を断念させることができるのだ。