第一次世界大戦のヨーロッパを駆けるゴシック・オデッセイ:エリザベート・バートリーの陰謀
これまでのシリーズ作がドラキュラのトランシルバニア城にプレイヤーを閉じ込めていたのに対し、『Castlevania: Bloodlines』(日本版タイトル『VAMPIRE KILLER』)は大胆な歴史的背景を導入した。第一次世界大戦の惨禍の真っ只中である1917年、女伯爵エリザベート・バートリーがフランツ・フェルディナント大公暗殺を引き起こし、ドラキュラの復活のために数百万の魂を集めようとする。
戦争で荒廃したヨーロッパを舞台に物語が展開する。ドラキュラ城の廃墟から始まり、水没したギリシャの神殿を駆け抜け、ねじれたピサの斜塔を登り、ドイツ帝国の軍需工場へと突入していく。
「メガドライブのおかげで、任天堂の厳格なファミリー向けガイドラインに縛られることなく、妥協のない血塗られたゴシック悲劇を描くことができました」(コナミ リードプロデューサー 古川和治)
ジョン・モリスとエリック・リカード:2人の主人公による革命
本作は最初から選択可能な2人の主人公を初めて導入した。テキサスのハンターであるジョン・モリスは伝説の鞭「ヴァンパイアキラー」を振るい、攻撃だけでなく天井の梁に引っ掛けてスイング移動するためのグラップルフックとしても活用する。
スペインの貴族エリック・リカードはアルカード槍を操り、斜め突きや、高くまで飛び上がる棒高跳びアクションを繰り出す。このシステムにより、あらゆるステージが2つの異なるアクションパズルへと変貌した。

斜塔と鏡面の水面:メガドライブの限界に挑む
メガドライブのVDPにはSNESのモード7のようなハードウェア回転・拡大縮小コプロセッサーは搭載されていなかったが、コナミのプログラマーたちは驚異的な視覚効果を実現した。ピサの斜塔のステージでは、画面全体が催眠術的なリアリズムで回転し歪む。
エンジニアたちはH-Blankのラスタースキャンライン割込みを操作し、スキャンラインごとにスクロールオフセットを再計算することでこれを成し遂げた。リアルタイムの水面のきらめきと相まって、本作はMotorola 68000のアセンブリ言語の限界を極めた。
山根ミチル:『月下の夜想曲』の3年前から奏でられていたバロックの多声楽
このサウンドトラックは、山根ミチルの伝説的なキャリアにおける記念碑的な転換点となった。標準的なハードロックを捨て、ヤマハYM2612を駆使してJ.S.バッハにインスパイアされた複雑な対位法フーガや物憂げなハープシコードの音色を織り上げた。
「Reincarnated Soul」や「Iron-Blue Intention」といった傑作群は、3年後の『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を定義することになるバロック美学を確立させ、本作を16ビットの金字塔へと押し上げた。
「YM2612で『バンパイアキラー』の作曲をしたことは、クラシックの対位法と疾走感のあるリズムを融合させ、『悪魔城ドラキュラ』の真の声を発見した原点でした」(コナミ 著名コンポーザー 山根ミチル)



